木村忠義の株式だより
(2023年2月13日配信(2023年2月23日発行『京都生涯学習カレッジ』3月号に掲載される「一生学び続けよう 世界が見える 株式投資のすすめ」の記事の先だしです。)
失敗は成功のもと。有頂天は失敗のもと。
静かな鬱陶しい動きをしていた日本の株式動向が、少しうねりをもって上昇に動き出した。
株式勉強会で時々触れていた(6080)M&Aキャピタルパートナーズが徐々に上がり、引け値で新高値に躍り出ました。そのあくる日の朝、日経新聞が、その会社が予想に反する減益になったため、売り物が殺到し、千円安のストップ安で寄り付いた。後、だらだら下げ、少し戻してきましたが、その原因が分かったので、ここで反省を込めて申し上げます。
新聞では、色々な企業が賃上げするという気風があり、企業が賃上げに応じたことが何社も報道されていました。そのことに全然気が付かない私たちは、M&Aの本体をもっと分析すべきであった。企業丸ごとM&Aすれば、従業員も一緒に雇わないといけないのが通例です。その従業員の賃金が何パーセント賃上げされたままM&Aすると、大変なことになると、経営者は当然思ったに違いない。買収計画が見送られ、業績の下方修正になってしまった。そのことを知った投資家は、新高値になったその日に売り浴びせました。株式の運営者たちの素晴らしい先見性に、改めて舌を巻きました。
その失敗で、ある銘柄、これも何回も小声で推奨していたのですが、神戸製鋼(5406)昨年9月700円前後をウロウロしていた株が、予想以上の好決算でストップ高(100円高)で引けました。
やはりM&Aの勉強をしたので、そのあと買いに行きました。トルコの大地震で、鉄鋼業界は、活況になると投資家は読んだんでしょう。あくる日も4、50円値上がりしました。一度、M&Aで失敗しただけに、その真実が誰よりも分かりました。
みなさん、株式は知的ゲームです。頑張りましょう。勝つまで。
日本は、今、日銀新総裁が決まり、今後の金融動向によって波乱状態になるはずです。為替動向も目が離せませんが、そんなこと、だれにでもわかることですから、よっぽどの事情が展開されない限り、落ち着いた動きをするでしょう。
以上
(令和五年二月十三日に思う)
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